コロナが来た時の事
2020年1〜2月くらい、未知のコロナウィルスが武漢を始めアジアで流行っているというニュースが出た。
年配のパートさん達が、「やぁねえ」と言っていた。最近台湾に遊びに行ったという若いお客様の事を本気で嫌がっていた。
3月あたりから、テレワーク出来る人はテレワークするようにしましょう、という事で在宅勤務するようになった。
お客様は全然来なくなった。久しぶりに出勤したら、社員しか通らない廊下が暗かった。少しでも経費を抑えたい、という事で電灯を消したらしい。
4月。「この人が居なくなったら困る」という人以外のアルバイトさん達の雇い止めが決まった。5月からみんな居なくなって、店舗内に人が少なくなったな、という印象になった。
お客様が来ないとはいえ、やる事はある。残った社員にしわ寄せがいった。若い女性社員は、パートさん達に話を聞いてもらう事で発散していたところもあるので、精神的にも余裕をなくしていたように思った。
私も、パートさんが居なくなって寂しかった。
コロナが来てから、全店舗低空飛行の営業を続けていた。
次は、店舗売却が決まった。何年も勤めていたベテランスタッフごと売られていった。
これでまた、人が減った。
コロナ前の従業員数から、半分以下になってしまった。
2021年からはもう、新卒採用もしないらしい。
経営陣も、コロナにやられてばかりいる訳にはいかない。
新しい事業を始めた。
その事業も芽が出始めている…らしい。詳しくは分からない。
2021年8月くらいから以前の売上が戻ってきた。その時期はデルタ株の感染者がすごかったのだけど、オリンピックだからか、夏休みだからか、意外とお客様がきた。
コロナの感染者数も落ち着いてきて、私も週に2回くらいは出勤するようになった。
コロナ禍にも慣れて、今の人数でやっていく事にも慣れて、店舗に明るさが戻ってきたように思った。
しかし、コロナ禍で膨大な借金が出来てしまったそうだ。役員からその額を聞いてしまったのだが、「一体返せるのか?」という額だった。
主要な事業は少子化で先細り確実。「新規事業」が上手くいくしかない。
会社は家族経営で、最近跡取り息子には赤ちゃんが生まれた。よく職場に連れてくるんだけど、その赤ちゃんの顔見るたびに、「これからどうなっちゃうんだろう」と思う。